本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
はじめに
こんにちは、みずきです。早いもので、2026年の5月も後半ですね。我が家では、2020年1月生まれの長女がこの春、無事に小学校に入学しました。ピカピカのランドセルを背負って元気に登校する姿を見ては、胸が熱くなる毎日です。でも、それと同時にやってきたのが、巷でよく言われる小1の壁でした。
保育園の時とは違い、夕方の学童のお迎え時間が早くなったり、長期休みの預け先に悩んだり。我が家でも、民間の学童保育の延長サービスを週に何回か利用することになり、家計には少しずつ新しい負担が増えてきています。そこで今回は、「この小1の壁を、少しでも家計の負担感を減らして乗り越えるために、配当金をどう活用できるか」という視点から、ある銘柄に注目してみました。それが、化学セクターの東京インキ株式会社です。
単に「利回りが高いから買う」のではなく、我が家の人生設計の中でこの銘柄がどんな役割を果たしてくれるのか、具体的な数字を使ってじっくりと考えていきたいと思います。
1. シナリオ設定:我が家の人生設計
まずは、今回なぜこの投資を検討するのか、我が家の具体的な状況からお話ししますね。投資をするときは、まず「何のために、いつまでに、いくら必要なのか」という人生設計のシナリオを立てることが、ブレない運用の第一歩になります。
我が家の現在地と、今直面している課題は以下の通りです。
我が家の現在地
・私(みずき):1985年生まれ、上場企業勤務。
・夫:会社員。
・長女:2020年1月生まれ(2026年4月に小学校入学)。
・貯蓄・投資:2021年からつみたてNISAやiDeCoを中心に、インデックス投資で老後資金や教育費の土台は着々と積立中。
直面している家計課題
小学校の学童保育ですが、自治体の公営学童は18時までしか預かってもらえません。私の仕事の都合上、どうしても週に2日ほどは19時近くまで預かってもらう必要があり、民間の学童や延長サービスを利用しています。この延長料金や、小学校に入って新しく始めた習い事の月謝を合わせると、保育園時代よりも毎月約5,000円、家計からの手出しが増えてしまうことが分かりました。
課題を解決するために必要な配当額
この「月5,000円」の追加出費を、給料からの補填ではなく、資産が自動的に生み出してくれる「配当金」で賄うことができれば、精神的なゆとりが全く違いますよね。つまり、我が家が今目指したいのは、年間60,000円(月5,000円)の配当金を安定して受け取れる仕組みを作ることです。長女が小学校を卒業するまでの6年間、この配当金が家計をサポートしてくれるシナリオを描いています。
2. 目標配当額の逆算計算
目標が「年間60,000円の配当金」と決まったら、次はそれを実現するために「いくらの投資資金が必要か」を逆算していきます。今回は、税金面で最も有利な新NISA(成長投資枠)を活用し、非課税で配当金を受け取ることを前提に計算します。
2026年5月26日現在の東京インキの会社予想配当データを使って計算してみましょう。
東京インキの1株あたりの年間配当予想は65円です。1単元(100株)保有していると、年間で6,500円の配当金が受け取れる計算になりますね。
目標とする年間60,000円を達成するために必要な株数は、以下のように逆算できます。
60,000円 ÷ 65円 = 923.07株
単元株数は100株単位ですので、きりよく1,000株(10単元)を保有することを目標とします。1,000株保有した場合、年間の受取配当金は65,000円(月平均にすると約5,416円)となり、目標の月5,000円をしっかりクリアできますね。
では、この1,000株を準備するために必要な投資金額はいくらになるでしょうか。2026年5月26日の株価データ(高値ベースで1,255円)から逆算してみます。
| 項目 | 数値・計算 |
|---|---|
| 直近株価(目安) | 1,255円 |
| 最低購入代金(100株) | 125,500円 |
| 目標保有株数 | 1,000株 |
| 必要投資総額 | 1,255,000円 |
| 年間予想配当金(非課税) | 65,000円 |
| 予想配当利回り | 5.18% |
約125万円の投資資金を用意できれば、我が家の「小1の壁」に伴う毎月の出費増を、東京インキの配当金だけでほぼ相殺できるというわけです。ただ、我が家にとって125万円というのは決して小さな金額ではありません。本当に東京インキだけにこの金額を託して大丈夫なのか、他の選択肢とも比較しながら、冷静に考えていく必要があります。
3. 複数銘柄の比較紹介
同じ「月5,000円の配当」を目指すにしても、1つの銘柄に全ての資金を集中させるのはリスクが高いですよね。そこで、似たような高配当かつ、我が家のポートフォリオに組み込みやすい他の銘柄と比較をしてみました。
今回比較対象に選んだのは、同じ化学・塗料セクターで実績のある大日本塗料と、住まいに関する内装資材のトップ企業であるサンゲツです。
| 銘柄名(証券コード) | 株価(円) | 配当利回り(%) | PBR(倍) | 自己資本比率(%) | 最低投資金額(円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京インキ(4635) | 1,255 | 5.18% | 0.49 | 59.4% | 125,500 |
| 大日本塗料(4611) | 1,120 | 4.81% | 0.52 | 51.2% | 112,000 |
| サンゲツ(8130) | 3,150 | 5.33% | 1.25 | 62.8% | 315,000 |
※株価等の数値は2026年5月26日時点の市場データおよび各社開示情報に基づきます。
それぞれの銘柄の特徴を、我が家の人生設計という視点から整理してみますね。
選択肢A:東京インキ株式会社(4635)
東京インキは、新聞インキや包装用インキ、プラスチック用の着色剤(マスターバッチ)などを手掛ける老舗の化学メーカーです。派手さはありませんが、食品パッケージの印刷や新聞など、私たちの日常生活に深く根ざしたビジネスを展開しています。
注目すべきは、5.18%という非常に高い配当利回りと、0.49倍という割安なPBR(純資産倍率)です。解散価値と言われる1倍を大きく割り込んでいるため、東証からの改善要請に対する意識も高いと考えられます。財務の健全性を示す自己資本比率も59.4%と高く、収益性も直近で改善傾向にあるのが心強いポイントです。
選択肢B:大日本塗料株式会社(4611)
大日本塗料は、重防食塗料(橋梁やプラントなどのサビ止め)で国内トップクラスの実績を持つ企業です。こちらの詳細な分析については、過去の記事でもご紹介しています。
○(4611)大日本塗料 : 4.81%配当と低PBRで2026年小1の壁月5千円を補う家計の戦力
利回りは4.81%と東京インキに比べるとやや低めですが、インフラ向けの塗料という景気の波に左右されにくい安定した需要を持っています。投資単位も11万円台と少し低めで、コツコツ買い増しやすいのが魅力です。
選択肢C:株式会社サンゲツ(8130)
サンゲツは壁紙やカーテン、床材などで国内圧倒的シェアを持つインテリアの専門商社です。こちらの銘柄も、我が家では注目しています。
◎(8130)サンゲツ : 5.33%配当で2026年小1の壁月5千円を支える家計の準コア資産
配当利回りは5.33%と非常に魅力的で、株主還元への姿勢も積極的です。ただ、株価が3,000円を超えているため、100株単位で購入するには30万円以上の資金が必要になります。一気にまとまった資金を動かす必要があるため、家計のキャッシュフローと相談しながら慎重に進める必要がありますね。
株主還元に関する市場の動きと東京インキの立ち位置
ここで、最近の気になるニュースをご紹介します。日本経済新聞の報道「自社株買い、薄れる神通力 市場が求める「株主還元の次」」では、企業が単に一時的な自社株買いを発表するだけでは、以前ほど株価が上がりにくくなっているという現状が指摘されています。市場は今、その場しのぎの還元ではなく、持続的な「増配」や「事業の成長」を伴う本質的な株主価値の向上を求めているという内容です。(参考:日本経済新聞:自社株買い、薄れる神通力 市場が求める「株主還元の次」)
この指摘は、東京インキのようなPBR1倍割れの割安株を検討する上で非常に重要です。東京インキが掲げる「1株配当65円」という高い予想が、企業の無理な取り崩しによる一時的なものなのか、それとも収益力の改善を伴った持続可能なものなのかを見極める必要があります。アイフィスジャパンのデータによると、同社の収益性は改善傾向にあり、営業利益率や純利益率は前年同期比で着実に上昇しています。売上高も右肩上がりで成長を続けており、まさに市場が求めている「業績成長を伴う本質的な還元」の軌道に乗っていると言えそうです。
4. みずきの「人生設計マッチ度」評価
我が家の「小1の壁を乗り越える」という明確な目的において、東京インキがどれくらい適しているのか、3つの軸で星評価をつけてみました。
A. 配当の持続性・成長性:評価「○(まあ大丈夫)」
東京インキの配当維持の力は、比較的高いと判断しています。
その理由は以下の通りです。
・財務の健全性:自己資本比率が59.4%と、望ましいとされる水準を大きく上回っています。有利子負債も緩やかに減少しており、借金に頼らない経営ができています。
・収益力の向上:1株あたり利益(EPS)が着実に増加基調にあります。売上高も右肩上がりで、本業でしっかりと稼ぐ力がついてきているため、配当の原資が枯渇する心配は少なそうです。
一方で、化学やインキ業界は原材料である原油価格や化学物質の市況の影響を受けやすいという側面もあります。そのため、急激な円安や原油高が起きた際には利益が圧迫されるリスクがあり、評価は「◎」ではなく「○」としました。
B. 人生設計との適合性:評価「◎(ぴったり)」
今回の我が家の目標である「娘の小学校卒業までの6年間、毎月5,000円(年間60,000円)の生活費サポート」という時間軸に、東京インキは非常に相性が良いと考えています。
・高い初期利回り:利回りが5%を超えているため、投資を始めてすぐに十分な配当金を受け取ることができます。数年後の成長を待つ必要がある成長株とは違い、今すぐに発生する「学童の延長料金」を補填する目的には、この高利回りが大いに役立ちます。
・手頃な投資サイズ:100株あたり約12.5万円と、サンゲツなどの値がさ株に比べて、ボーナスや毎月の貯蓄からスポットで買い足しやすいサイズ感です。数ヶ月に一度、100株ずつ買い増していくような柔軟な積立計画が立てやすいですね。
C. 我が家のリスク許容度との整合性:評価「○(まあ大丈夫)」
現在の我が家は、つみたてNISAやiDeCoといった「絶対に手をつけない長期資産」の土台がすでにしっかりと構築されています。その安定した土台があるからこそ、こうして個別株に挑戦するリスクを取ることができます。
東京インキは時価総額が約171億円と中小型株の部類に入るため、日経平均株価などの大型インデックスに比べて、株価の振れ幅(ボラティリティ)が大きくなる局面があります。しかし、日々の株価の上下に一喜一憂せず、「配当金という果実」だけを淡々と受け取る守りの姿勢を維持できるのであれば、我が家のリスク許容度の範囲内に十分に収まると言えます。
5. みずきの総合評価+判断
これまでの分析を踏まえて、東京インキに対する我が家の総合的な判断をまとめてみます。
結論:我が家にとって、東京インキは「小1の壁を支える即戦力として、ポートフォリオの1割程度で保有を検討したい銘柄」です。
もちろん、125万円という資金を全額東京インキに1点集中させるのは、いくら財務が良くてもリスクがあります。そこで我が家が考えた作戦は、「化学・インテリア系の高配当株を組み合わせて保有する」というハイブリッド戦略です。
例えば、予算150万円を以下のように分散させてみます。
・東京インキ(4635)を 600株(投資額:約75.3万円 / 年間配当:39,000円)
・大日本塗料(4611)を 400株(投資額:約44.8万円 / 年間配当:21,500円)
・サンゲツ(8130)を 100株(投資額:約31.5万円 / 年間配当:16,800円)※利回り5.33%想定
このように分散することで、投資総額は約151.6万円、得られる年間配当金は合計で77,300円(月平均:約6,441円)となります。特定の1社に万が一のことがあっても、他の2社が支えてくれるため、家計の現金流が途絶えるリスクを大きく下げることができます。これなら、心穏やかに娘との小学校生活を楽しむことができますよね。
6. 制度活用との組み合わせ
さて、ここからが「みずきブログ」で一番大切にしている制度活用の観点です。どれだけ優秀な高配当株を見つけても、税金で約2割を引かれてしまっては、家計への貢献度は下がってしまいます。賢く制度を利用して、手取りの配当金を最大化しましょう。
① 新NISA(成長投資枠)の活用
個別株投資を行う上で、新NISAの成長投資枠は最大の武器です。通常であれば、受け取る配当金には20.315%の税金がかかります。つまり、東京インキから年間65,000円の配当をもらっても、課税口座(特定口座)であれば、実際に手元に残るのは約51,795円に減ってしまいます。
しかし、NISA口座で保有していれば、65,000円が丸々そのまま我が家の家計に入ってきます。この差は毎年約13,000円。6年間で考えると約78,000円もの差になります。これは、子供の新しいドリルや絵本、ちょっとしたお出かけの費用に十分化ける金額ですよね。
② つみたてNISA(現在のNISAつみたて投資枠)やiDeCoとの補完関係
我が家は、つみたて枠やiDeCoを使って、全世界株式(オルカン)や全米株式(S&P500)といったインデックスファンドを毎月積立しています。これらは「将来(15年〜20年後)の教育費や老後資金」を作るための、いわば自動成長エンジンです。
一方で、今回検討している東京インキのような個別高配当株は、「今、この瞬間の生活を豊かにするための現金製造機」です。インデックス投資だけでは「今使えるお金」は増えませんが、高配当株を組み合わせることで、今と将来のバランスをきれいに保つことができるようになります。
③ 配当控除(総合課税選択)という裏ワザも知っておこう
もし将来、夫婦の働き方が変わって私の所得が下がったり、育休などで一時的に課税所得が少なくなったりした場合、特定口座で保有している高配当株の配当金を「総合課税」として確定申告することで、配当控除の適用を受けることができます。
課税所得が一定以下(目安として課税所得900万円以下)の場合、所得税の税率が20.315%よりも低くなるため、確定申告をすることで源泉徴収された税金が戻ってくる仕組みです。「制度を知っているだけで得をする」典型例ですので、頭の片隅に置いておくと、いざという時の家計の防衛力になりますよ。
7. 失敗・迷い・懸念も素直に述べる
完璧な銘柄はこの世に存在しません。私が東京インキを検討する上で、ちょっと「ここは気をつけないとな」と迷っているリアルな本音も共有しますね。
まず1つ目の懸念は、「市場での取引量(流動性)が少なめ」という点です。2026年5月26日の出来高は34,900株となっており、大型株に比べると非常に市場で取引されている量が少ないです。
これが何を意味するかというと、「売りたい時に、自分が思った通りの価格ですぐに売れない可能性がある」ということです。私たちは長期で配当をもらい続けるのが目的なので、すぐに売る予定はありませんが、もし家計の急変などで急いで現金化したい局面が来た場合には、思ったより安い価格で売る羽目になるリスクがあります。
2つ目は、「景気敏感セクターである化学業界」という性質です。いくら直近の業績が良くて自己資本比率が約59%と高くても、世界的な大不況が来れば、梱包資材やプラスチック着色剤などの需要は落ち込みます。業績が大きく悪化すれば、会社が「配当維持は難しい」と判断して、減配(配当を減らすこと)に踏み切る可能性はゼロではありません。
だからこそ、「この1社に全てを賭ける」のではなく、先ほど提案したような「大日本塗料やサンゲツなどと分散させること」、そして「生活防衛資金(現金)はしっかりと確保した上で、余剰資金の範囲内で行うこと」が、子育て世帯の投資において絶対に守るべきルールだな、と改めて自分に言い聞かせています。
おわりに
いかがでしたでしょうか。今回は、娘の「小学校入学」という我が家のリアルなイベントと、それに伴う「月5,000円の教育費・学童費アップ」という具体的な家計課題から逆算して、東京インキという高配当銘柄を考えてみました。
投資の本質は、誰かの「おすすめ」をそのまま買うことではなく、「自分たちの人生設計の、どのパズルに、どの銘柄を当てはめると心地よいか」を自分で決めることだと思います。我が家にとって東京インキは、小1の壁という少し高いハードルを、笑顔でひょいと乗り越えるための「頼もしい踏み台」のような存在になってくれそうだな、と感じています。
みなさんもぜひ、ご自身のライフステージや、今必要な家計のゆとり額を電卓でパチパチ叩きながら、楽しく投資の計画を立ててみてくださいね。この記事が、少しでもみなさんの家計管理や投資の参考になれば嬉しいです。それでは、また次の記事でお会いしましょう。


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