はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
こんにちは、みずきです。2026年6月に入り、日差しがすっかり夏らしくなってきましたね。我が家の長女は、今年の4月に小学校に入学したばかり。初めての小学校生活にも少しずつ慣れてきて、毎日元気に登校しています。でも、親の私はというと、いわゆる小1の壁に直面して、毎日バタバタと過ごしているところです。
保育園の頃は夜遅くまで預かってもらえたのですが、小学校の学童保育は時間が短く、私の勤務時間を少し短縮せざるを得なくなりました。その結果、私の手取り給与が少し減ってしまったんです。その一方で、放課後の民間学童の費用や、娘が新しく始めた習い事の月謝などで、毎月約5,000円の新しい出費が発生しています。この「手取り減」と「出費増」のダブルパンチは、家計管理を担当する身としては見過ごせない課題です。
そこで今回は、我が家の人生設計から逆算して、この「月5,000円の教育・保育費」を株式の配当金で賢く補填する方法を考えてみました。今回注目するのは、誰もが家庭で一度は使ったことがある「NEWクレラップ」でおなじみの(株)クレハ(東証プライム、証券コード:4023)です。高配当株として知られる同社ですが、現在の財務状況や収益性を考えると、我が家の人生設計に本当にマッチするのでしょうか。リアルな視点でじっくり分析していきますね。
1. シナリオ設定:「我が家の人生設計」と小1の壁
まずは、今回なぜこの投資を検討しているのか、我が家の具体的なライフプランのシナリオをお話しします。投資を始める前に「何のために、いつまでに、いくら必要なのか」を整理しておくことは、失敗しない投資の第一歩だと思っています。
我が家の現在地と、今回の課題は以下の通りです。
- 我が家の現在地:私(41歳、会社員)、夫、長女(6歳、小学1年生)。第二子も授かれたら嬉しいなと考えています。
- 直近の家計課題:私の時短勤務による収入減少と、学童・習い事の月謝による支出増加。合わせて毎月約5,000円の家計負担増が発生していること。
- 解決策としての目標配当額:新NISAなどの非課税制度を活用し、月5,000円(年間60,000円)の配当金を安定的に受け取ること。
子どもが小学校高学年、そして中学生へと成長していくこれからの10年間は、教育費が本格的に膨らむ前の「貯め期」でもあります。この大切な時期に、毎月の生活費から貯蓄を切り崩すのではなく、配当金という「第2の財布」から習い事代を支払うことができれば、精神的にも家計管理の面でも大きなゆとりが生まれますよね。今回は、この「月5,000円の配当金」を確実に得るための逆算シミュレーションを行っていきます。
2. 目標配当額の逆算計算
「月5,000円(年間60,000円)」の配当金を新NISA(非課税口座)で受け取るために、一体いくらの投資資金が必要になるかを逆算してみましょう。
2026年6月2日時点での、(株)クレハの株価データは以下のようになっています。
- 株価(終値):3,845円
- 予想1株配当:216.00円
- 配当利回り(会社予想):5.62%
- 単元株数:100株(最低購入代金:384,500円)
このデータを基に、新NISAの成長投資枠(非課税)で運用する場合の必要投資額を計算してみます。
目標年間配当額:60,000円
必要株数の計算:
60,000円 ÷ 216円(1株配当) ≒ 277.7株
単元株(100株単位)で購入することを考えると、300株を保有するのが現実的ですね。300株保有した場合のシミュレーションは次のようになります。
| 項目 | 数値・計算結果 |
|---|---|
| 必要保有株数 | 300株 |
| 投資に必要な資金(3,845円 × 300株) | 1,153,500円 |
| 受け取れる年間配当金(216円 × 300株) | 64,800円(税引前/NISAなら非課税) |
| 月平均の配当収入 | 5,400円 |
配当利回りが5.62%と非常に高いため、約115万円の投資で「月5,000円のゆとり」という目標をクリアできる計算になります。もしこれが配当利回り3%の銘柄であれば、同じ年間60,000円を得るために200万円の投資資金が必要になりますから、クレハの「高利回り」は、初期投資額を抑えたい子育て世帯にとって非常に魅力的に見えますね。
ただし、利回りが高いということは、それだけ「リスク」や「業績への懸念」を市場から突きつけられている裏返しでもあります。ここからは、クレハという企業のビジネスとそのリスクについて、一歩踏み込んで見ていきましょう。
3. (株)クレハのビジネス分析とおなじみブランドの強み
クレハといえば、私たちは真っ先に「NEWクレラップ」を思い浮かべますよね。赤いパッケージでおなじみのあのラップは、日本の家庭にすっかり浸透しています。実は、こうした「誰もが知っている国民的ブランド」を持つ企業は、不況期にも強いビジネスの土台を持っていることが多いんです。
ここで、興味深い海外のニュースをご紹介します。カナダの食品大手クラフト・ハインツが発表した、ユニークな新商品のニュースです。
食品業界のニュースメディア「Food Business News」の記事、Kraft Heinz Canada adds cheddar-based cheesecakeによると、クラフト・ハインツ・カナダは、カナダで圧倒的な人気を誇る国民的マカロニ&チーズブランド「KD(Kraft Dinner)」のチェダーチーズをブレンドした、新しいデザート「KD Mac and Cheesecake(マック・アンド・チーズケーキ)」を期間限定で発売しました。ブランド担当者は「カナダの国民食として親しまれてきたKDの味わいを、ディナーだけでなくデザートとしても楽しんでもらいたい」と語っています。
この記事を読んで、私は「ブランド力」の持つパワーについて改めて考えさせられました。消費者の生活に深く根ざし、「これなら安心、美味しい、使いやすい」と信頼されているおなじみのブランドは、それだけで他社が真似できない強力な武器になります。クラフト・ハインツが「KD」という看板を活かして新しい挑戦をするように、クレハにとっての「NEWクレラップ」も、家庭の信頼を一身に集める最強のキャッシュカウ(収益源)です。
しかし、投資家として冷静に見極めなければならないのは、「クレハは家庭用ラップだけの会社ではない」という事実です。実は、クレハの売上や利益の多くは、産業用の高機能材料や化学品、農薬、医薬品などのBtoBビジネス(企業間取引)が占めています。特にリチウムイオン二次電池用のバインダー(接着剤)などに使われる高機能樹脂「PVDF」は世界的なシェアを持っていますが、これはEV(電気自動車)市場の動向やスマートフォンの需要、原材料価格の変動などに大きく業績が左右されます。
直近の指標データを見ると、クレハの業績にはいくつかの「警告灯」が灯っています。
- 収益性:悪化しています。直近で営業利益率と純利益率がマイナスに転じ、ROE(自己資本利益率)はマイナス5.71%と沈んでいます。
- 安定性:自己資本比率は48.8%と、一般的に健全とされる30%は上回っているものの、過去と比べると低下傾向にあります。有利子負債も増加しており、EPS(1株当たり利益)の振れ幅が非常に大きくなっています。
- 成長性:売上高の伸びが鈍化しており、機能材料分野での市況悪化が業績に重くのしかかっています。
おなじみの「クレラップ」という素晴らしい家庭用ブランドで安定した小売り収入がありつつも、BtoBのハイテク素材事業での浮き沈みが激しいため、会社全体の業績としてはかなり荒い波にさらされている、というのがクレハの現在の姿なのです。
4. 複数銘柄の比較紹介
高配当な化学セクターの中で、クレハと同じような目標配当額を達成できる他の選択肢も並べて比較してみましょう。今回は、我が家が過去にも検討したことのある、化学業界の高配当株2社と比較してみました。
| 銘柄名(コード) | 株価(円) | 配当利回り(%) | 最低投資金額(円) | 自己資本比率(%) | 特徴・位置づけ |
|---|---|---|---|---|---|
| クレハ(4023) | 3,845 | 5.62 | 384,500 | 48.8 | 「クレラップ」の安定性と、EV素材の大きな波が共存するハイリスク・ハイリターン型 |
| ダイセル(4202) | 1,450 | 5.25 | 145,000 | 48.5 | 自動車エアバッグ用インフレータなどニッチトップ製品。比較的安定した高配当枠 |
| 大日精化工業(4116) | 3,120 | 5.22 | 312,000 | 55.2 | 顔料や樹脂着色剤の老舗。財務が強固で、配当の持続性と安定性を重視する方向け |
同じ高配当株ですが、それぞれ個性がありますね。過去の記事でも、これらの銘柄の魅力について詳しく触れています。
例えば、ダイセルは自動車関連の部材で強く、配当と成長のバランスが良いサテライト枠として検討しました。
○(4202)ダイセル : 5.25%配当で小1の壁の家計に月5千円のゆとりを作るサテライト戦略
また、大日精化工業は堅実な財務体質が魅力で、家計をしっかり守る守備的なポジションに向いていると考えています。
○(4116)大日精化工業 : 5.22%配当と強固な財務で2026年小1の壁月5千円を支える家計のサテライト枠
これらの他社と比較すると、クレハの利回り5.62%は頭一つ抜けて高く見えますが、その背景には直近の「赤字転落(ROEマイナス)」や「株価下落による利回り上昇」があるため、手放しで喜べる状況ではないことがわかります。
5. みずきの「人生設計マッチ度」評価
それでは、我が家の「小1の壁を乗り越えるための月5,000円配当」という人生設計に照らし合わせて、クレハを3つの軸で厳しく評価してみたいと思います。
A. 配当の持続性・成長性:評価「△」(やや懸念あり)
現在の予想配当は216円で、利回りは5.62%と非常に魅力的です。しかし、会社予想のEPS(1株当たり利益)は196.24円となっており、なんと配当額がEPSを上回る(配当性向が100%を超える)計算になります。直近のROEがマイナス5.71%と赤字に沈んでいる中で、これだけの高配当を維持するのは、企業の体力を削りながら分配しているようなものです。
クレハは株主還元に積極的な企業ではありますが、この業績不振が長引けば、現状の配当水準を維持できずに「減配」となるリスクは否定できません。10年単位で安定して配当をもらい続けたい我が家としては、少しハラハラしてしまう持続性だと言わざるを得ませんね。
B. 人生設計との適合性:評価「○」(悪くないが注意が必要)
最低購入代金が38万円台で、約115万円の投資で目標の「月5,000円(年間60,000円)の配当金」が手に入るスピード感は非常に魅力的です。娘が小学校に入学したばかりの今、すぐにキャッシュフローを強化したいというニーズには応えてくれます。ただ、業績悪化による「減配」や「さらなる株価下落」が起きた場合、せっかくの教育費準備の土台が揺らいでしまうため、過度な依存は禁物です。
C. 我が家のリスク許容度との整合性:評価「△」(今はやや緊張感がある)
時短勤務で私の給与が減っている今の我が家にとって、最も避けたいのは「投資元本の大きな毀損」と「配当金の急減」です。現在のクレハは、EV向け素材などの市況サイクルに翻弄される局面であり、株価も年初来高値の4,905円から3,800円台まで大きく調整しています。安値圏(年初来安値3,510円)に近づいていて買い場に見える一方、もう一段の下落リスクもあるため、家計の「安全資産」として保有するには少し刺激が強すぎる(リスクが高い)と感じます。
6. みずきの総合評価+判断
以上の分析を踏まえた、我が家としての結論をお話しします。
「(株)クレハは、家計を支える『守りのコア資産』としては見送り、もし投資するなら少額での『サテライト枠』に限定する」
という判断になりました。やはり「小1の壁」という、家計の安定が強く求められる時期に、業績が赤字に転落している銘柄に約115万円ものまとまった資金を集中させるのは、私のリスク許容度を超えています。いくら「クレラップ」という素晴らしいおなじみブランドがあっても、BtoBの素材市況の波をまともに受けてしまう現状では、いつ減配が発表されてもおかしくないという不安が残るからです。
ただし、株価が大きく下がって割安感(PBR 0.89倍)が出ているのも事実です。市況が回復すれば、再び強力な成長軌道に戻るポテンシャルも秘めています。ですので、例えば「他のお堅いディフェンシブ銘柄(大日精化工業など)と組み合わせて保有し、ポートフォリオ全体の平均利回りを引き上げるための隠し味」として、100株だけスパイス的に持っておく、という方法ならアリかなと思います。
7. 制度活用との組み合わせ:みずき流・賢い税制ハック
もしクレハのような、利回りは高いけれど少しリスクがある高配当株を保有する場合、日本の税制優遇制度を賢く組み合わせることで、リスクを緩和し、手残りのキャッシュを最大化することができます。ここが「みずきブログ」ならではのこだわりポイントです。
新NISA(成長投資枠)の活用
通常、特定口座で配当金を受け取ると、約20.315%の税金が差し引かれます。216円の配当金が、手元では約172円に減ってしまうわけです。しかし、新NISAの成長投資枠を活用すれば、これがまるまる非課税で受け取れます。
クレハを300株保有した場合、特定口座では年間配当金が約51,600円(税引後)に目減りしてしまいますが、NISAなら64,800円がそのまま手に入ります。この13,000円以上の差は、子育て世帯の家計にとって非常に大きいです。学食代やドリル代が何冊分も浮く計算になりますね。
特定口座なら「配当控除」も視野に
もしすでにNISA枠を「つみたて投資枠(全世界株式など)」で使い切っている場合は、特定口座での購入になります。その場合、確定申告で総合課税を選択し、配当控除を申請することを検討しましょう。
我が家のように、子育て中で私の時短勤務などにより世帯全体の課税所得が一定以下(目安として課税所得900万円以下)である場合、総合課税を選んで配当控除を適用した方が、源泉徴収された約20%の税金の一部(または全部)が所得税から還付され、住民税を考慮しても税引き後の手残りが多くなるケースがあります。少し面倒に思える確定申告ですが、ワンオペ育児の合間にスマホからe-Taxでサクッと申請するだけで、家計にお金が戻ってくるので、やらない手はありません。
つみたてNISA(インデックス投資)との住み分け
我が家の資産形成のコア(土台)は、あくまで新NISAのつみたて投資枠やiDeCoで運用している「全世界株式(オルカン)」や「S&P500」といった、複利で増やすインデックスファンドです。こちらは老後の資金や、娘の大学進学資金(12年後)のためのものです。
今回検討している個別株投資は、あくまで「今、目の前にある小1の壁(月5,000円の教育費増)」に対処するためのサテライト戦略です。老後資金という「遠くの未来」と、毎月の生活費という「今の現実」の両方に、制度を使い分けてアプローチすることが、自由でゆとりのある子育てライフを送るための秘訣だと思います。
8. 失敗・迷い・懸念も素直に述べる
ここまで色々と分析してきましたが、私も一人の迷える子育てママ投資家です。机の上の計算通りに完璧にいかないのが、株式投資の難しいところであり、面白いところでもあります。
実は、数年前の私なら「配当利回り5.6%!クレラップの会社だし絶対潰れないから買っちゃおう!」と、すぐに飛びついていたかもしれません。でも、過去に高配当につられて減配を経験し、株価も下がって大損した「苦い失敗談」があるからこそ、今は慎重になっています。赤字に転落している企業が、無理をして配当を出し続けている状態(タコ足配当に近い状態)は、長続きしないことが多いのです。
娘の新しいピアノのレッスンが始まり、「ママ、お月謝袋、はい!」と渡されるたびに、早くキャッシュフローを安定させたいという焦る気持ちもあります。でも、焦ってリスクを取りすぎて、大切な教育費の元本を大きく減らしてしまっては本末転倒ですよね。
「100点満点の完璧な銘柄はない。今の我が家のライフステージに合っているかどうかで決める」
これが私の信条です。今回は、クレハの高い利回りに後ろ髪を引かれつつも、もう少し業績が底を打ち、機能材料分野の回復の兆し(フリーキャッシュフローの改善など)が本物になるまで、じっくり監視リスト(ウォッチリスト)に入れて様子を見守りたいと思います。
皆さんのご家庭でも、「小1の壁」や「教育費の壁」に直面したとき、どのように家計を守っていますか。人それぞれリスクの許容度や、投資に回せる資金のペースは違います。誰かの「おすすめ」をそのまま買うのではなく、「我が家の人生設計なら、このリスクは取れるかな?」と、一度立ち止まって考えてみるきっかけになれば嬉しいです。
新緑の季節、子どもとの時間も大切にしながら、マイペースに、でも賢く資産形成を続けていきましょうね。それでは、また次回のブログでお会いしましょう。


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