はじめに:8.17%の高利回り銘柄は、育休中の家計を救ってくれるのか?
投資家ママのみずきです。現在2026年。娘は5歳、そろそろ小学校入学準備も本格化する頃ですね。
最近、高配当株をチェックしていて、思わず二度見してしまった銘柄があります。それが、今回ご紹介する(株)ダイドーリミテッド(3205)です。なんと、会社予想の配当利回りが驚異の8.17%!
「え、こんなに利回りが高いなら、育休に入る予定の我が家にはぴったりじゃない?」と一瞬色めき立ちましたが、投資は冷静な逆算思考が大切です。今回は、この「高すぎる利回り」の裏側を、我が家の人生設計に合うかという視点で、じっくり紐解いていきたいと思います。
家計が厳しい時期に高配当は魅力的ですが、その配当が続く保証がなければ意味がありません。特に今回は、アパレル・繊維製品という景気に左右されやすい業界の銘柄です。慎重に見ていきましょうね。
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
1. シナリオ設定:「第二子育休中の家計サポート」
まず、なぜ我が家がこの銘柄を検討するのか、その前提となる人生設計のシナリオを明確にします。
我が家の現在地と家計課題
- 現在地:2026年。娘(長女)は5歳(年長)。
- 将来計画:夫と第二子の妊娠・出産を検討中。順調にいけば、2027年夏頃から私が育休に入る予定です。
- 家計課題:育休期間(約1年間)は給与所得が減り、育児休業給付金で生活を回すことになります。しかし、給付金だけでは賄えない、月々5,000円程度の家計の穴を埋めたいと考えています。これは、娘の習い事費や日用品のちょっとした出費に充てたい金額です。
- 投資目標:育休期間の短期的なキャッシュフローを、安定的に、または少ない投資額でサポートする。
目標配当額の逆算計算:74万円で月5,000円?
我が家の目標は、年間で60,000円(月5,000円)の配当収入を得ることです。ダイドーリミテッドの会社予想配当利回り8.17%(2026/12/30時点)を使って逆算すると、必要な投資額は驚くほど少なくて済みます。
$$
必要投資額 = 年間目標配当額(60,000円) \div 予想配当利回り(8.17\%) \approx 734,400円
$$
現在の株価(1,228円前後)で見ると、約74万円の投資で年間6万円の配当が期待できる計算になります。これは、一般的な高配当株(利回り4%〜5%)なら120万円〜150万円が必要なことを考えると、非常に効率的です。
ただ、ここで警戒信号が鳴ります。高利回りすぎる銘柄は、その配当の持続性に大きな疑問符がつくからです。特にこの銘柄は、後述しますが、**本業では赤字の見込み**なんです。
2. 複数銘柄の比較紹介:高利回りの裏側にあるリスク
ダイドーリミテッドはアパレル製品の企画・製造・販売を手掛けています。マッキントッシュやダーバンなど、歴史あるブランドを持っていますが、提供データを見ると、財務状況と収益状況は厳しい状況にあることがわかります。
比較対象としての選択肢
同じく「月5,000円」を目標としたとき、この銘柄が我が家にとって最適かどうかを判断するために、他の選択肢と比較してみましょう。
| 銘柄 | 業種/概要 | 予想利回り | 収益性 | 安定性 | 必要投資額(約) |
| :— | :— | :— | :— | :— | :— |
| A. ダイドーリミテッド (3205) | アパレル・繊維製品 | 8.17% | 悪化/赤字 (EPS-21.31) | やや低下 (自資比30.5%) | 74万円 |
| B. 安定高配当株(食品) | はごろもフーズ(2831)など | 3.0% (仮) | 安定 | 堅固 | 200万円 |
| C. PBR低位高配当株(製造業) | 瀧上工業(5915)など | 4.5% (仮) | 安定 | 堅固 | 134万円 |
ダイドーリミテッドの最大の特徴は、圧倒的な配当効率の良さ(74万円で目標達成)ですが、それは同時に、**配当の安定性を犠牲にしている可能性が高い**ことを示しています。
ダイドーリミテッドの企業分析(2026年時点)
提供データから、特に注意すべき指標をまとめました。
① 財務・収益性:赤字で高配当はなぜ?
- EPS(1株あたり利益): (連) -21.31円(会社予想)
→ 利益がマイナス、つまり赤字の予想です。 - 配当性向:利益がないため、算出不能、あるいは極端な高水準となります。
- 収益性:ROE(-19.72%)は非常に悪く、営業利益率・純利益率もマイナスが続いています。
みずきの考察:
利益が赤字なのに、1株配当100円を出せるのは、特別配当や記念配当、あるいは不動産などの固定資産売却による一時的な特別利益で賄っている可能性が極めて高いです。これは「持続的な配当」ではありません。企業側が株主還元姿勢を示していることは評価できますが、来期以降、本業の収益が改善しなければ、配当は激減またはゼロになるリスクがあります。
② 株価・安定性:PBRが高いが自己資本比率はギリギリ
- PBR(株価純資産倍率): 3.73倍
→ 純資産に対して株価が3倍以上ついており、割安感はありません。高配当期待で買われていると思われます。 - 自己資本比率: 30.5%
→ かろうじて30%台を維持していますが、前年同期比で低下傾向にあり、有利子負債が増えているため、財務の安定性は心許ないです。 - 最低購入代金: 122,400円(100株)
→ 子育て世帯でも手が出しやすい金額なのは助かりますね。
業界の構造転換と高配当の意図
アパレル業界は、コロナ禍以降も在庫リスクや生産コストの上昇、急速なEC化への対応など、構造的な課題を抱えています。収益の安定化が難しくなる中で、ダイドーリミテッドがなぜこれほど高配当を出すのかというと、**株価の維持・純資産の活用**が目的であると考えられます。
外部ニュースで見られるように、多くの製造業や消費財企業がコスト管理や事業再編によって収益改善に取り組んでいます。例えば、米国のOne World Products社がコスト管理と事業の絞り込みで粗利を大きく改善している事例(One World Products, Inc. SEC 10-Q Report)からもわかるように、不振が続く企業には**構造的な転換**が求められています。ダイドーリミテッドも、この配当によって時間を稼ぎ、事業構造の転換を図ろうとしているのかもしれません。
しかし、個人投資家である我が家にとって、この銘柄は「来年配当が維持されるか」が最重要課題です。
3. みずきの「人生設計マッチ度」評価
ダイドーリミテッドの投資評価を、我が家の人生設計の視点から3つの軸で評価します。
A. 配当の持続性・成長性:×(リスク極めて高い)
現時点の収益状況を見ると、**配当の持続性については強く信頼できません。**
利益を上回る配当は、企業体力を削っての還元であり、長くは続きません。来期以降、配当が大幅に減額される、あるいはゼロになるリスクは非常に高いと判断せざるを得ません。利回り8.17%はあくまで「今年だけ」の数字と考えるべきです。
評価:×(リスク極めて高い)
B. 人生設計との適合性:△(短期的な穴埋めには使えるが不安)
我が家の目標は、2027年からの育休期間中の家計の穴埋め(月5,000円)です。
この銘柄は、投資額が74万円で済むため、資金効率は最高です。もし今年の配当を確実に受け取れるなら、育休に入る前の準備資金として非常に役立ちます。
しかし、育休中こそ家計の収入が不安定になる時期です。もし購入した直後に「来期は減配します」と発表されれば、精神的なプレッシャーになり、家計の計画が狂ってしまいます。育休中の安心材料として長期保有するには、**安定性が低すぎます**。
評価:△(短期的な投機目的、またはポートフォリオの少額の遊び枠なら可能)
C. 我が家のリスク許容度との整合性:△(コア資産は避けたい)
我が家は長期複利を基本戦略としています。安定配当の銘柄で、時間をかけて資産を育てたい。ダイドーリミテッドのような、いつ減配・無配になってもおかしくない銘柄は、ポートフォリオ全体のリスクを押し上げます。
もし購入するなら、ポートフォリオ全体の1〜2%程度の「テーマ投資枠」として、今年の配当取りを目的とし、配当が確定したら、業績回復が見込めなければ売却することも辞さない覚悟が必要です。「安定的なキャッシュフローの柱」として頼るべきではありません。
評価:△(今は避けるべきか、少額の遊び枠に限定すべき)
4. みずきの総合評価+判断:長期の安心感には繋がらない
総合的に見て、ダイドーリミテッドは我が家の人生設計の柱にはなり得ないという判断になります。
魅力的な8.17%という数字は、投資の効率を考えれば目を引きます。74万円で月5,000円の配当は、確かに育休中の家計を劇的に助けてくれます。
しかし、我が家の投資の哲学は、「お金は人生の自由度を高めるツール」であり、「長期複利の力を信じる」ことです。短期的なキャピタルゲイン(売却益)や、一時的な高配当を追いかけるよりも、10年後、20年後に配当が増え、安心して持ち続けられる企業を選ぶことが重要です。
例えば、過去にも紹介したはごろもフーズ(2831)のような、利回りは低くても生活必需品を扱い、財務が堅く、長期的に増配傾向にある銘柄を、少しずつ積み立てていく方が、育休という人生の一大事を乗り切るための**精神的な安定剤**になります。
私たちが求めるのは「効率」よりも「安心」です。もしダイドーリミテッドに投資するなら、今年の配当はもらえても、来年以降は配当が大幅に減る前提で、**「もらえたらラッキー」**くらいの気持ちでいるべきですね。
5. 制度活用との組み合わせ:不安定な銘柄でジュニアNISAはありか?
高配当株を検討するとき、配当金が非課税になるNISAやジュニアNISAをどう活用するかは、非常に重要なポイントです。
もし、ダイドーリミテッドの配当が長期的に持続するなら、ジュニアNISAで娘の名義で保有するのは、最高の税効率になります。年間6万円の配当が、非課税で18年間運用できるのは非常に魅力的です。
しかし、この銘柄は赤字経営であり、配当の持続性がないと判断しました。ジュニアNISAは子どもの将来のための**長期視点の枠**です。そこに不安定な銘柄を組み込むと、数年後に無配になった際、銘柄入れ替えの手間が発生しますし、何より精神的な負担が大きくなります。
私としては、ジュニアNISAには、エスコンジャパンリート投資法人(2971)のような、安定したインフラ系やリート、あるいは**ディフェンシブな連続増配株**を入れ、**ダイドーリミテッドのような不安定な銘柄は、特定口座や一般NISAの「チャレンジ枠」**として、少額で持つのが適切だと思います。
6. 失敗・迷い・懸念も素直に述べる
正直なところ、8.17%という利回りは、やっぱり魅力的で迷いますよね。「もしかしたら、この高配当が数年続けば、育休中を乗り切れるかもしれない」という淡い期待を持ってしまいます。
でも、私たちが絶対に避けたいのは、**「配当が急になくなることによる家計計画の破綻」**です。もしダイドーリミテッドが来年以降、配当を維持するなら、それは本業ではなく、資産売却や何らかの特益に頼っていることになります。本業の収益性が改善しない限り、減配は時間の問題です。
高配当を出す企業の背景をしっかり読み解くことが、私たち子育て世代には特に大切です。時間がないからこそ、**「何を信じて、何を信じないか」**の判断を明確にして、後悔のない銘柄選びをしたいですね。
我が家は引き続き、安定したキャッシュフローを生み出す銘柄を中心に、育休中の家計をサポートしてくれる「安心の柱」を築いていく方針を維持したいと思います。


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