△(3597)自重堂 : 5.64%配当で小4の壁の習い事費を補うが配当性向100%超を考慮する慎重な選択

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

こんにちは、みずきです。2026年の春、我が家の長女が無事に小学校に入学しました。今は新しい環境に慣れるのに親子で一生懸命な毎日を過ごしています。いわゆる小1の壁というものを実感する日々ですが、少しずつ平日の生活リズムも整ってきました。

子育てをしていると、時間の経過の早さに驚かされます。今目の前にある小1の壁を乗り越えたと思ったら、あっという間に3年後には小4の壁がやってくるんですよね。小学校高学年になると、塾や本格的な習い事、さらには学童の退室後の過ごし方など、教育費や生活費の負担が一段と重くなることが見込まれます。

そこで今回は、3年後に控える小4の壁を見据えて、今から家計に「配当金」という強力な応援団を組み込むための人生設計と、それに見合う銘柄の検討プロセスを共有したいと思います。今回注目するのは、非常に高い財務健全性と高配当が特徴の(株)自重堂(じじょうどう・3597)です。我が家の家計管理の視点から、この銘柄がいつ、どのように役立つのかをじっくりと考えてみました。

1. シナリオ設定:我が家の人生設計と3年後の課題

我が家の現在地と、これからのライフプランにおける課題を整理してみました。

現在、娘は小学1年生で、地域のスイミングスクールと英語教室に通っています。これらだけでも月に約15,000円の教育費がかかっています。現状は私の給与と夫の収入、そしてこれまでに構築してきた配当金ポートフォリオからの分配金で十分に賄えています。

しかし、3年後(2029年4月)に娘が小学4年生になると、中学受験を視野に入れた進学塾への通塾や、より専門的な習い事への移行が考えられます。一般的に、小4からの塾代は月額で30,000円から50,000円程度に跳ね上がると言われています。

家計の負担を急激に増やさないために、私は3年後までに、配当金だけで月額10,000円(年間12万円)の教育費キャッシュフローを上乗せするという目標を立てました。既存の生活費や貯蓄ペースを崩さず、この追加分の教育費を「配当金という自動販売機」から生み出せるようにしたいというわけです。

2. 目標配当額の逆算計算

3年後に「月に10,000円」の配当金を得るためには、年間で120,000円(税引前)の配当収入が必要になります。この目標を達成するために、どれくらいの投資元本が必要なのかを逆算してみましょう。

検討している自重堂の株価データ(2026年7月10日時点)を基に計算を行います。自重堂の株価は8,920円、1株あたりの年間配当予想は500円となっており、配当利回りは5.64%という極めて高い水準です。最低購入金額は100株で892,000円(安値8,860円基準では886,000円)となります。

目標年間配当額(税引前) 想定配当利回り 必要となる投資元本 自重堂(100株・約89万円)での配当金
120,000円 5.64%(自重堂) 約2,127,660円 50,000円
120,000円 5.00%(一般的な高配当株) 2,400,000円
120,000円 4.00%(中堅高配当株) 3,000,000円

この逆算から分かるように、配当利回りが5.64%と非常に高い自重堂を活用する場合、約213万円の元本があれば目標の年間12万円の配当金を達成することができます。一般的な利回り4.0%の銘柄と比べると、必要元本を約87万円も抑えられる計算になります。これは、教育費の確保を急ぎたい我が家にとって、非常に効率的な数字に見えますね。

ただし、自重堂は1単元(100株)を購入するだけで約89万円というまとまった資金が必要です。我が家の家計から一気にこの金額を特定の1銘柄に投入するのは、分散投資の観点から少しリスクが高いと感じるのも事実です。そこで、財務が強固で買いやすい他の高配当銘柄と比較しながら、どのようなポートフォリオが最適かを考えていきます。

3. 複数銘柄の比較紹介

我が家の教育費サポート枠の候補として、自重堂と同じく「高配当かつ財務が優秀」な銘柄をいくつか並べて比較してみます。特に、1回の投資金額を抑えながら分散できる銘柄や、同じく安定したビジネスモデルを持つ企業をピックアップしました。

銘柄名(コード) 株価(2026/07/10時点) 最低投資金額 予想配当利回り 自己資本比率 特徴・位置づけ
(3597)自重堂 8,920円 892,000円 5.64% 90.9% 作業服のトップメーカー。極めて強固な財務と超高配当。
(9622)スペース 1,120円(想定) 112,000円 5.04% 約75% ディスプレイデザイン大手。無借金経営で配当維持力が高い。
(5192)三ツ星ベルト 4,500円(想定) 450,000円 4.84% 約78% 産業用ベルト大手。高い株主還元姿勢と安定した需要。

各銘柄の詳細と我が家の評価

(3597)自重堂
ワーキングウエアや安全靴などの製造販売を手がける老舗企業です。現場で働く人々を支える実用的な衣料を提供しており、流行に左右されにくい安定した需要があります。財務状況は驚異的で、自己資本比率は90.9%。ほぼ無借金経営であり、手元には潤沢なネットキャッシュ(現預金など)を抱えています。しかし、直近の業績(2026年6月期予想など)を見ると、売上高が減少傾向にあり、営業利益率や純利益率といった収益性指標は悪化しています。1株あたり配当金は500円を維持していますが、予想EPS(468.43円)に対して配当金額が上回っており、配当性向は100%を超えている状態です。本業の稼ぎ以上に配当を出しているため、これが長期的に持続可能かどうかが最大の焦点となります。

(9622)スペース
店舗や商業施設の企画・設計・施工を行う企業です。こちらも財務が非常に強固で、配当利回りは5.04%と高水準です。最低投資金額が約11万円と、自重堂に比べて圧倒的に買いやすいのが魅力です。一度に大きな資金を動かさずに、少しずつ買い足していけるため、家計のキャッシュフローに合わせて機動的に購入することができます。スペースの詳しい分析については、こちらの過去記事でも紹介していますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
◎(9622)スペース : 5.04%配当と強固な財務で小1の壁の習い事費を支える教育費の備え

(5192)三ツ星ベルト
自動車や産業用機械に使われるベルトを製造しています。BtoB(企業間取引)が中心のため一般消費者の目には触れにくいですが、インフラを支える無くてはならないビジネスを展開しています。ここ数年、非常に積極的な株主還元姿勢を示しており、利回りは4.8%前後を維持しています。こちらも自己資本比率が高く、不況に強い耐性を持っています。

ニュースから読み解く自重堂の「超高還元の背景」

自重堂が「利益以上の配当(配当性向100%超)」を出している背景には、昨今の日本市場における企業統治(コーポレートガバナンス)の改革が大きく影響していると考えられます。日本経済新聞の以下のニュースが参考になります。

「株主提案可決はシンクロなど2社 6月総会、物言う株主の存在感高く – 日本経済新聞」
https://nikkei.com/article/DGXZQOUB2933W0Z20C26A6000000

この記事では、株主総会において「物言う株主(アクティビスト)」からの提案が可決されたり、企業に対して資本効率の改善を求める圧力が一段と高まったりしている現状が報じられています。東証が進める「PBR1倍割れ改善要請」も手伝い、自重堂のようにPBR0.67倍、自己資本比率90.9%という、現金や資産をたっぷり抱えながらも株価が割安に放置されている企業は、株主から「もっと資産を有効活用して、配当や自社株買いで還元しなさい」と強く迫られやすい状況にあります。

自重堂が1株配当500円という大盤振る舞いをしているのは、こうした市場の圧力に応え、資本効率(ROE)を少しでも改善しようとしている姿勢の表れだと言えます。しかし、本業の売上高やEPSが伸び悩んでいる中で、この還元がいつまで続くのかは、子育て世代の長期投資としては少しハラハラする部分ですね。

4. みずきの「人生設計マッチ度」評価

自重堂を我が家のポートフォリオに組み込むべきか、3つの軸で星評価をしてみたいと思います。

A. 配当の持続性・成長性:評価「△(やや懸念あり)」

自己資本比率90.9%という財務の壁は、不況が来ても絶対に倒産しないという安心感を与えてくれます。しかし、売上高が減少傾向にあり、収益性が悪化している点がマイナス評価です。1株配当500円に対して、1株利益(EPS)が468.43円となっており、利益を超えた配当を支払っている状態は健全とは言えません。現時点では手元資金(内部留保)が潤沢にあるため維持できていますが、本業の業績が回復しない限り、数年以内に減配に踏み切るリスクは否定できません。3年後の小4の壁時点で、配当が削られている可能性があるのは、教育費の土台としては少し不安が残ります。

B. 人生設計との適合性:評価「○(まあ大丈夫)」

利回りが5.64%と非常に高いため、購入できれば家計のキャッシュフローは即座に潤います。100株保有するだけで、毎年50,000円(税引前)が手に入り、これは娘の英語教室の月謝の約半分を永続的にカバーできる計算になります。新NISAの成長投資枠を活用すれば、この配当金が丸々非課税で受け取れるため、税効率の面でも人生設計に非常にフィットします。ただ、やはり「約89万円」というまとまった購入資金が必要なため、投資のタイミングを慎重に選ばなければならない点が、家計管理上のハードルとなっています。

C. 我が家のリスク許容度との整合性:評価「△(やや緊張感あり)」

現在、私は会社員として働き、家計には一定の貯蓄余力があります。そのため、89万円の投資を行うこと自体は不可能ではありません。しかし、我が家は将来的に第二子を授かる可能性も考慮しており、その場合は一時的に私の収入が育休などで減少します。その期間中、ポートフォリオ内の1銘柄が大きな割合(かつ株価の出来高が1日2,900株と極めて少なく、売りたい時に売りにくい流動性リスクがある銘柄)で占められているのは、家計の防衛力という観点から少し緊張感があります。もう少し流動性が高く、機動的に動かせる銘柄に分散した方が、現在の我が家のリスク許容度には合っているかもしれません。

5. みずきの総合評価+判断

自重堂の強固な財務と5.64%という驚異的な配当利回りは、高配当株投資家としては非常に魅力的に映ります。しかし、我が家の「3年後の小4の壁に向けた教育費確保」という人生設計と照らし合わせた場合、以下のような結論に至りました。

「自重堂は魅力的ながらも、単体での集中投資は避け、まずは10万円台から購入できる他の高配当株でベースを作りつつ、余剰資金のサテライト枠として検討する」

やはり、約89万円という初期投資額の大きさと、配当性向100%超という持続性への懸念が引っかかります。もし今後、本業の業績が上向き、配当性向が60%以下に下がってくる、あるいは株主還元の方針がより長期的に安定したものになることが確認できれば、新NISAの「成長投資枠」を使って保有を検討したいと考えています。

それまでは、最低投資金額が低く財務も安定しているスペースや、産業用ベルトで堅実な三ツ星ベルトなどを組み合わせ、「1社に依存しない、合計で年間12万円を作る分散ポートフォリオ」を構築するのが、子育てママの家計管理としては一番心が安らぐ選択だと思います。

6. 制度活用との組み合わせ

高配当株投資を家計に活かす上で、税制優遇制度の活用は絶対に欠かせません。我が家では以下のように制度を組み合わせて、最大の税効率を目指しています。

新NISA(成長投資枠)の活用

通常、株の配当金には約20.315%の税金がかかります。自重堂から得られる50,000円の配当金も、課税口座(特定口座)では約10,000円が差し引かれ、手元には約40,000円しか残りません。これが新NISAの成長投資枠であれば、50,000円がそのまま口座に入金されます。この「10,000円の差」は、子供のドリルや参考書を数冊買い与えられるだけの価値があります。まとまった金額を投資する銘柄だからこそ、非課税枠のメリットを最大限に活かしたいですね。

iDeCo・つみたてNISAとの補完関係

我が家の資産形成のコア(中核)は、iDeCoや新NISAの「つみたて投資枠」を利用した、全世界株式(オルカン)や全米株式へのインデックス投資です。これらは「20年後、子供が大学を卒業し、私たちの老後を迎える時期」に向けた長期の資産拡大を狙っています。しかし、インデックス投資は途中で取り崩しにくく、今現在の「小学生の習い事代」といった日々のキャッシュフローには貢献してくれません。
そこで、自重堂やスペースのような個別高配当株を「成長投資枠」で保有し、毎月の家計の足しにすることで、「将来の資産拡大(インデックス)」と「現在の家計サポート(高配当株)」の両輪を回すことができるのです。

配当控除の活用という選択肢

もし、将来的に新NISAの枠を使い切ってしまい、特定口座(課税口座)で高配当株を保有することになった場合、配当控除の活用を検討します。我が家のように、夫婦ともにおおよその課税所得が900万円以下であれば、確定申告で「総合課税」を選択して配当控除を申請することで、所得税の還付を受けられるケースがあります。子育て世代は所得控除(扶養控除など、将来的には増える可能性もあります)や住民税の計算など、税金面で考えることが多いですが、こうした制度の仕組みを少し知っておくだけで、手元に残る現金を増やすことができます。

7. 失敗・迷い・懸念も素真に述べる

ここまで自重堂の良い部分と課題を分析してきましたが、投資に完璧な選択はありません。私がこの銘柄に対して感じている「迷い」を率直に共有します。

一番の懸念は、やはり「流動性の低さ」です。1日の出来高が2,900株というのは、市場での取引が非常に静かであることを意味します。これは、もし我が家に急な支出が発生し、株を売却して現金化したいと思った時に、買い手が見つからず、想定よりもかなり安い価格で売る羽目になる(スプレッドによる損失)リスクがあります。

また、売上高が減少傾向にある点は、本業の「作業服」市場における競争激化や、原材料費・物流費の高騰が影響していると推測されます。いくら自己資本比率が90%を超えていて倒産リスクが極めて低いとはいえ、企業がじりじりと縮小していくプロセスの中で、株価そのものが下落し続けるリスク(キャピタルロス)は避けたいところです。

現在のように「株主還元ブーム」に乗って一時的に高配当を出してくれているのは嬉しいですが、本質的な企業の成長が伴わなければ、3年後、5年後に娘が大きくなった時、その果実を維持できているかは分かりません。だからこそ、「利回り5.6%」という数字の甘い誘惑だけに飛びつかず、我が家のリスク許容度と相談しながら、慎重に見守る姿勢を大切にしたいと思っています。

皆さんのご家庭でも、それぞれの人生設計やライフステージに合わせて、納得のいく投資戦略を立ててみてくださいね。完璧な投資法はありませんが、我が家に合った「ちょうどいい選択」を一緒に模索していきましょう!

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