はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
こんにちは!「みずきの家計簿+株」を運営している、子育てママ投資家のみずきです。早いもので2026年も折り返しを過ぎ、7月に入りましたね。我が家の長女は今年の4月に小学校に入学したばかり。この3カ月間、いわゆる小1の壁の洗礼をこれでもかと浴びてきました。保育園時代とはガラリと変わる生活スケジュール、そして夏休みを前にして、学童の費用や夏休みのイベント代、放課後の新しい習い事など、次々と発生する細かい出費に頭を悩ませています。
こうした子育て期のリアルな家計課題を解決するために、我が家が実践しているのが高配当株投資を活用した家計サポート戦略です。単に将来のためにお金を増やすだけでなく、今この瞬間に必要なキャッシュフローを配当金という形で補うことを目指しています。
今回は、配当利回りが5%を超える水準で注目されている株式会社ズーム(証券コード:6694)を取り上げます。名前を聞くと「あのオンライン会議の会社?」と思うかもしれませんが、実は全く異なる日本の音響機器メーカーなのです。この銘柄が我が家の人生設計にどう役立つのか、あるいはどのようなリスクをはらんでいるのか、ママの視点からじっくりと紐解いていきたいと思います。
1. シナリオ設定:我が家の人生設計と小1の壁
個別株を検討する際、私が最も大切にしているのは銘柄ありきで考えないということです。まずは、我が家のライフステージにおいて「今、いくらのお金が必要なのか」という人生設計のシナリオを明確にすることから始めます。
我が家の現在地と、今直面している家計の課題を整理してみました。
我が家は、1985年生まれの私と夫、そして2020年1月生まれで現在小学1年生の長女の3人暮らしです。現在の貯蓄ペースは順調ですが、長女が小学校に進学したことで、保育園時代にはかからなかった費用が発生するようになりました。
特に頭を悩ませているのが、放課後の預かり先としての学童保育の利用料や、お友達の影響で始めたがっている英語とプログラミングの習い事費用です。これらを合わせると、毎月だいたい5,000円から1万円ほどの追加支出が家計に重くのしかかってきます。これから子どもが大きくなるにつれて、教育費の負担はさらに増していくことが予想されます。
そこで今回の家計課題は、小1の壁に伴う習い事費用として、毎月5,000円(年間60,000円)の追加キャッシュフローを配当金で作り出すことに設定しました。この月5,000円があれば、家計の貯蓄ペースを落とすことなく、子どもの可能性を広げるための習い事を1つ、気持ちよく応援してあげることができます。
2. 目標配当額の逆算計算
目標となる配当額が「月5,000円(年間60,000円)」と決まったら、次はそれを実現するために一体いくらの投資資金が必要なのかを逆算していきます。これが、家計管理と投資を無理なく両立させるための重要なプロセスです。
今回は、配当非課税制度などを活用して税金を考慮しない、または税引き後の手取りベースで計算してみましょう。ターゲットとする高配当株の平均配当利回りをいくつかのパターンでシミュレーションしてみます。
目標年間配当額:60,000円
配当利回りが4.0%の場合、必要な投資額は150万円となります。
配当利回りが5.0%の場合、必要な投資額は120万円となります。
配当利回りが6.0%の場合、必要な投資額は100万円となります。
今回の主役である(株)ズームの会社予想配当利回りは、直近の指標データによると5.02%となっています。つまり、この銘柄を主軸にして目標を達成しようとすると、およそ120万円の投資資金が必要になる計算です。ズームの最低購入代金は2026年7月8日時点で63,700円(100株単位)ですので、約19単元(1,900株)を保有すれば、我が家の小1の習い事代を丸ごとカバーできることになります。
しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。「果たして、1つの個別銘柄に120万円も集中投資して大丈夫なのだろうか?」という点です。特に、子育て世帯にとって大切な教育資金の原資を、ボラティリティ(価格変動)の大きな中小型株に一極集中させるのはリスクが高すぎます。そこで、同じ目標を達成するための他の高配当銘柄と比較しながら、ポートフォリオ上の最適な配置を考えていく必要があります。
3. 複数銘柄の比較紹介
ここで、同じように「小1の壁」を支えるキャッシュフロー源として、我が家が注目している複数の高配当銘柄を比較してみましょう。今回比較対象とするのは、これまでの私の分析でも評価の高かった優良銘柄たちです。
比較に入る前に、まずは大切なファクトチェックをお伝えします。冒頭でも少し触れましたが、ニュースなどで目にする情報には注意が必要です。
例えば、トレーダーズ・ウェブが報じた「明日の戦略-後場に崩れて連日の4桁下落、AI関連に厳しい流れが続く」というニュースの中に、「エスプールがズーム日本法人と自治体領域で連携開始」という一節がありました。これを見て、「おっ、ズームに素晴らしい好材料が出たから株価が上がるかも!」と勘違いして飛びついてはいけません。
このニュースで言及されている「ズーム日本法人」とは、米国に本社を置くビデオ会議システム大手の「Zoom Video Communications」の日本法人のことです。私たちが今回分析している東証スタンダード上場の株式会社ズーム(6694)は、ハンディレコーダーや音楽用エフェクターなどの音声関連機器を開発・販売している日本のものづくり企業であり、あのビデオ会議のZoomとは資本関係のない全くの別会社なのです。こうした名前の類似による誤解は、投資の世界では意外と頻繁に起こるため、特に時間のないママ投資家こそ、ビジネスモデルを正しく確認するファクトチェックが欠かせません。
では、本物の(株)ズームと、他の候補銘柄のスペックを比較表で見てみましょう。
| 指標項目 | (株)ズーム(6694) | 林兼産業(2286) | コマースOne(4496) |
|---|---|---|---|
| 主なビジネス | ハンディレコーダー、エフェクター等の音響機器開発 | 水産ねり製品、飼料、食肉加工などの総合食品事業 | ECプラットフォーム、ECサイト運営支援システムの提供 |
| 直近株価(目安) | 637円 | 1,000円前後 | 900円前後 |
| 最低投資金額 | 63,700円 | 約100,000円 | 約90,000円 |
| 配当利回り(予想) | 5.02% | 5.01% | 5.48% |
| 1株配当(予想) | 32.00円 | 50.00円 | 49.00円 |
| 自己資本比率 | 30.1% | 約35% | 約75% |
| 直近の収益状況 | 営業利益率は持ち直すが、純利益は赤字から改善途上 | ディフェンシブで安定的な黒字を維持 | ITインフラのため高い利益率と安定成長を維持 |
それぞれの銘柄について、みずき独自の視点で特徴を整理していきます。
(株)ズーム(6694)の分析
ズームは、世界中のミュージシャンや映像クリエイター、音声配信者から絶大な支持を得ている「ZOOM」ブランドの音響機器を展開しています。自社で工場を持たないファブレス経営を徹底しており、企画や開発に特化しているのが特徴です。昨今の動画配信ブームやポッドキャストの普及など、個人が声を届ける時代の波に乗っているビジネスモデルと言えます。
一方で、業績の波が非常に荒いという弱点があります。直近の実績ROEはマイナス26.99%と大きな赤字を記録しており、自己資本比率も30.1%と、財務の安定性という面では少しハラハラする水準です。収益性は改善傾向にあり、営業利益率も持ち直しの流れにありますが、安定的な高配当株として長期保有するには、やや覚悟が必要な「じゃじゃ馬」的な銘柄と言えます。ただ、最低購入金額が約6.4万円と非常に低く、少額から高配当を狙える点は、お小遣い範囲で投資するママにとっては魅力的な選択肢です。
林兼産業(2286)との比較
比較対象の林兼産業は、食品や飼料という、人々の生活に絶対に欠かせないディフェンシブなビジネスを展開しています。派手な成長はありませんが、業績は手堅く、配当利回りも5.01%とズームと同等水準の高さです。子育て世帯の生活費や習い事代のような、毎月確実に発生する支出の裏付けとするならば、こうした手堅い食品セクターの方が精神的な安定感は圧倒的に上ですね。この銘柄の詳しい分析は、過去の記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
◎(2286)林兼産業 : 5.01%配当で小1の壁の習い事費を支える家計のキャッシュフロー基盤
コマースOneホールディングス(4496)との比較
もう一つの比較対象であるコマースOneホールディングスは、ECサイトの支援インフラを提供する企業です。自己資本比率が約75%と極めて高く、無借金に近いクリーンな財務基盤を持っています。IT関連のストック型ビジネスであるため、収益の安定性と成長性の両面でズームを大きく引き離しています。配当利回りも5.48%と非常に魅力的で、家計のキャッシュフロー源として非常に頼もしい存在です。こちらも以前、ブログで詳しく取り上げました。
◎(4496)コマースOneホールディングス : 5.48%配当で小1の壁の習い事費を支える家計のキャッシュフロー源
4. みずきの人生設計マッチ度評価
それでは、我が家の人生設計シナリオ「小1の壁の習い事費月5,000円をカバーする」という観点から、(株)ズームの評価を3つの軸で厳しく、かつ現実的にジャッジしてみたいと思います。
A. 配当の持続性・成長性:評価は「△(やや懸念あり)」
配当利回り5.02%という数字は大変魅力的ですが、その中身を見てみると少し不安が残ります。現在の予想1株配当は32.00円ですが、直近の実績ROEが大幅なマイナスであること、そして自己資本比率が30.1%と低下傾向にあることから、業績がもう一段悪化した場合に減配されるリスクは否定できません。有利子負債も増加傾向にあり、財務の健全性にやや黄色信号が灯っている状態です。売上高も伸び悩んでおり、この5%超の配当が5年、10年と維持されるかというと、確信を持つのは難しいと言わざるを得ません。
B. 人生設計との適合性:評価は「○(悪くない)」
「今すぐ月5,000円の足しにしたい」という時間軸において、1単元あたり約6.4万円というお手頃感は素晴らしいメリットです。例えば、毎月の家計のやりくりで余った1万円や2万円をコツコツ貯めて、数カ月に一度100株ずつ買い増していく、というマイクロ投資法には非常に適しています。一気に120万円を投資するのは危険ですが、「今月はちょっと余裕があるから1単元買っておこう」という、子育て家庭のリアルな資金繰りには柔軟に対応してくれます。
C. 我が家のリスク許容度との整合性:評価は「△(やや緊張感あり)」
我が家は現在、つみたてNISAやiDeCoでの世界株インデックス投資をコア(主軸)に据えています。個別株投資はあくまでサテライト(遊撃部隊)としての位置づけです。サテライト枠の中でも、なるべく潰れない、減配リスクの低い企業を選びたいというのが本音です。ズームのように、世界進出している一方で業績の振れ幅が大きい中小型株をポートフォリオの主戦力にするのは、我が家の現在のリスク許容度からは少しはみ出してしまいます。もし保有するとしても、ポートフォリオ全体の数%程度に抑えるスパイス的な役割にとどめるべきだと感じています。
5. みずきの総合評価と判断
ここまで分析してきた結果、我が家の人生設計における(株)ズームの総合評価は、「サテライト枠のさらに端っこで、少額だけ見守る打診買い候補」という結論になりました。
決して悪い企業ではありません。世界中の音楽ファンの心を掴む製品開発力は本物ですし、私自身もYouTubeや音声配信のトレンドには注目しています。しかし、大切な子どもの教育費や習い事代の補填という、確実性が求められる目的のために、この銘柄をドカンと120万円分買うことはしません。
もし我が家がこの銘柄を活用するなら、以下のようなハイブリッド戦略を組み立てます。
まず、安定的なキャッシュフロー基盤として、ディフェンシブな林兼産業や、財務が超一級品のコマースOneをメインに据えて、目標である月5,000円のうちの4,000円分を確保します。そして、残りの1,000円分(年間12,000円=約400株、投資額約25万円分)だけをズームに振り分けるのです。
これなら、万が一ズームが業績悪化で減配や無配に転落したとしても、家計へのダメージは最小限に抑えられます。一方で、業績が劇的に改善して株価が急回復した場合には、嬉しい恩恵を享受することができます。完璧な100点満点の銘柄を探すのではなく、それぞれの強みと弱みを組み合わせて、我が家にとって最適な「合格点」のポートフォリオを作ることが、長期的な投資を続ける秘訣だと思っています。
6. 制度活用との組み合わせ:みずき流・税効率最大化の知恵
私のブログでいつもお伝えしているのが、個人投資家にとっての最大の武器である税制優遇制度の徹底活用です。どれだけ高い配当金をもらっても、そこから約20%の税金が引かれてしまっては、家計への貢献度は下がってしまいます。ズームのような高配当株こそ、制度をフル活用して手取りを最大化させましょう。
まず検討したいのが、新NISAの成長投資枠の活用です。
もし普通口座(特定口座)でズームから年間60,000円の配当を受け取ると、税金が約12,000円も引かれ、手元には約48,000円しか残りません。しかし、NISA口座で保有していれば、この12,000円が丸々浮いて、そのまま娘の英語教室の教材代やプログラミングの月謝に回すことができます。この差は、家計管理の現場においては本当に大きいです。
さらに、以前の制度であるジュニアNISAで、すでにお子様の名義で高配当株を運用されている方もいらっしゃるかもしれません。我が家も長女名義のジュニアNISA口座を保有していますが、子ども自身が成人するまで非課税で運用できるため、こうした高配当かつ成長期待のある中小型株を少しだけ仕込んでおき、非課税で配当を再投資し続けるというのも、教育資金を雪だるま式に増やす強力なアプローチになります。
もし、どうしても特定口座(課税口座)で購入せざるを得ない場合は、確定申告時の配当控除の活用を視野に入れましょう。配当控除とは、総合課税を選択して確定申告をすることで、配当所得にかかる税金の一部を取り戻せる仕組みです。特に、私たちのように子育て世代で、働いているママやパパの課税所得金額によっては、源泉徴収された20.315%の税金よりも低い税率が適用され、還付金としてお金が戻ってくるケースがあります。
「確定申告なんて難しそうだし、時間がない!」と思うかもしれませんが、今はスマホで簡単に申請できるようになっています。こうした少しの手間を惜しまないことが、年間数万円の家計のゆとりを生み出すのです。つみたてNISA(現つみたて投資枠)でオルカンなどの「世界の成長」を非課税でガッチリとホールドしつつ、成長投資枠でこうした日本の高配当株をスパイス的に組み合わせる。これこそが、我が家が行き着いた、子育て世代に最適なハイブリッド投資スタイルです。
7. 失敗・迷い・懸念も素直に告白します
最後に、良いことばかりではなく、私の個人的な迷いや過去の失敗談もシェアしておきますね。投資の世界に「絶対」はありませんし、私もこれまでたくさんの失敗をしてきました。
実は数年前、まだ投資を始めたばかりの頃に「配当利回り6.5%!」という超高配当の文字だけを見て、財務状況もよく調べずに飛びついた銘柄がありました。結果はどうだったかというと、購入からわずか半年後に業績悪化による「無配転落」が発表され、株価は一気に半分以下に。家計の足しにするどころか、なけなしの投資資金を大きくすり減らしてしまうという、手痛いお仕置きを受けました。
その時の教訓があるからこそ、今回のズーム(6694)の財務諸表を見たときに、どうしても慎重になってしまうのです。実績ROEがマイナス26.99%という数字は、企業の稼ぐ力が一時的に大きく損なわれている証拠です。改善傾向にあるとはいえ、有利子負債が増えているのも、金利上昇局面においてはコスト増のリスクをはらんでいます。
また、音響レコーダーや音楽エフェクターという製品ジャンルは、趣味性の高い嗜好品です。世界的なインフレや不況が長引けば、消費者は真っ先にこうした趣味へのお金を節約し始めます。日常の必需品を扱う食品セクター(林兼産業など)や、企業の事業活動に不可欠なITインフラセクター(コマースOneなど)に比べると、景気後退期における売上の落ち込みリスクが格段に高いという懸念は、常に頭の片隅に置いておく必要があります。
「本当に、この銘柄を今、我が家のポートフォリオに入れていいのかな?」
そんなふうに夜、お布団の中で夫と話し合うこともよくあります。夫は「面白い会社だけど、子どもが小さいうちは、もうちょっと手堅いところに比重を置いた方が安心じゃない?」と言っていました。私もその通りだと思います。投資は、家族みんなが安心して毎日を過ごせる範囲で行うのが一番です。
完璧な銘柄なんて存在しません。だからこそ、自分の家計の状況や、子どもの年齢、そして自分自身の心の安定度(リスク許容度)に合わせて、納得のいく選択をしていくことが大切です。ズームのような尖った高配当株は、焦って今すぐ大量に買うのではなく、まずは100株だけ、日々の生活を脅かさない金額で保有してみて、そのビジネスの行く末を娘と一緒に勉強しながら見守る。そんな「心の余白」を持った投資スタイルが、今の私にはちょうどいいのかなと感じています。
みなさんも、ご自身の人生設計と照らし合わせながら、我が家にぴったりの投資の形を見つけてみてくださいね。一緒に「小1の壁」を、そしてこれからの子育てを、お金の不安を減らしながら乗り越えていきましょう!


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